2010年05月
いよいよ真打登場の如く、出ました近藤さんの名著『つゆから教えるおつまみレシピ』。
これがまたようでけたレシピ集なんですわ。
この本の肝である、魔法のつゆの作り方。
その実演試食を11時ぐらいからはじめた近藤さん。
魔法瓶とたったこれだけの材料を入れて、熱湯を注ぐだけ。
だれもが納得、だれもが考えつきそうな内容なんですが、だれもがうなりながらも、考えたことない未知の領域を提示してくれた近藤さん。
彼は天才かもしれない・・と遅ればせながら、痛感するのでした。
しめは蓬と桜の二色の麺。
素直なおだしが、麺の風味、風合いをぐっとひきたてます。
こちらは限りなくシンプルに。
でもめったこれない私に、もうちょっといけるなら・・と出してもらったのが、
サンラータン風、米沢牛とトマトの辛味うどん。
最高の夜は最高の麺でしめたいと、マジシャンにはお見通しです。
お母上が新潟で採取された、たらのめ、こしあぶら。
鬼おろしの大根が、次のお料理へといざなってくれます。
近藤さんのワナにはまると、一品一品出てくるお料理にあわせて、日本酒のチョイスも濃やかに変化します。
だから時間もかかり、笑いもたえないのですが、おそらくここまで、すでに何種もの日本酒をいただいてます。
銘柄を公表するには、お酒好きの方に申し訳ない、というか刺されてしまうくらい、垂涎の名酒の連続なのです。
福井の純米5年古酒花垣もいただきましたが、重さと軽さが同居する不思議な世界、まさに近藤イリュージョン。
中沢ゴルゴンゾーラMIXでいただく龍神にいたっては、もう、もう
米沢A4等級のランプ、イチボ、それぞれのタレをかえなくても、おいしいのに、執拗なまでの味の追求がすごいのです。
今月は3回も東京でしたが、高円寺のさぬきやさんに行った記録をまったくだし忘れておりました。
この自信ありげな笑顔。イケメンだから許されますが、憎たらしいくらいのいい笑顔です。
さぬきやの2代目、近藤康弘さん。元モデルだけのことはありますね。
さぬきやはうどん屋さんですが、うどんに行くつくまでの時間がかかるんです。
今回は約4時間かかりました。
それまで食べて、お酒をいただいて、食べての繰り返し。
途中、おしゃべりと笑いがたえません。
最初の一皿は、こごみ、うるい、そらまめ、たけのこ。あの魔法のおだしが優しく仕上げてます。
茶碗蒸しは、フォアグラのせ。 山葵と24年もののバルサミコがひきしめます。
なかは究極のトロトロ、でも底に黒いものを発見。
伊勢えびのわたでしたか、とにかく最後まで気をぬけない仕業に恐れ入谷の鬼子母神です。
年代物の芳しいバルサミコ様。
おさしみもまた、ひとひねり。
うんちく垂れる料理人って大嫌いなはずなのに、おいしいので、つい許してしまうのです。
決してイケメンだからではないからね~
貝柱は、梅と自家製からすみの2方向で。
いかもまたしょうがと大葉がきいたうす醤油で。
金目鯛にオンされてるのが何だったか、思い出せないのですが、とにかく初体験の旨さでした。
トロは山芋のとろろがけで。
どれも一口の一瞬の世界。はかなすぎて涙がでまする。